先日「なぜ1分は60秒なの?」と聞かれました。
「そうだね、100秒でもいいよね」と答えましたが、天文学に由来するのでしょう。「2」「3」「4」「5」で割り切りやすい60進法のほうが天文学では使いやすい(角度、座標も時計と同じですよね)。古代エジプト人は12進法を用いていました。日時計の針が動く範囲を半分ずっこにしたら12分割が適当だったようです。天文学者は天空に並ぶ星を見ながら夜を12分割し1日が24分割される事になりました。18世紀のメートル法制定時には10進法で時間表記する事が検討されましたが、古代ビッグネームには敵わなかったんでしょう。今では1秒はセシウム133原子を用いた原子時計が基準です。古代の方がロマンチックですよね。2000年以上かけた知識の積み重ねを、僅か10分で教えるのは簡単だけどもったいない。その過程こそが大事なんだと思います。
2018年春