それはあたかも祭りの後。
荘厳な筈の神社にとても似つかわしくない派手な看板と大きな声、集まってくる人、人、人。
その対比が妙に調和し安心する。
裏ではせっせと仕込みをし、パフォーマンスも派手に片手で収まるがハイカロリーなものを売り、今日しかないとそれを買う。
人混みに流され前へ前へと押し出され、次々に出てくる見慣れているが特別なものを買い漁る。
どこまで続くのか先の見えない道を意思とは無関係に進んだ先には何があったっけ?
それも忘れるくらいの高揚感。

しかし・・・翌日には元通り人気のない神社。
何事も無かったかのように、片付け遅れた派手な露店だけがちらほらと、そこで昨夜なにが起こっていたかを物語る。
ハッキリとは思い出せない。
そこに居た筈なのに・・・。

本当?本当はしっかり覚えているでしょ?思い出したくないだけでしょ?

でも覚えてるでしょ?